マイクロ法人とは?税金・社会保険料を節約できる仕組みを解説
- マイクロ法人は法律用語ではなく、代表者1人で運営する小規模な法人を指す俗称です。
- 主な目的は所得税・住民税と社会保険料の負担軽減です。
- 個人事業主と違い、自分への役員報酬を法人の経費にできます。
- 設立費用の目安は合同会社で約10万円、株式会社で約25万円です。
- 赤字でも法人住民税の均等割が毎年かかる点は要注意です。
マイクロ法人の結論

マイクロ法人は「節税と社会保険料軽減のために作る一人法人」で、所得が高い個人事業主ほど効果が出ます。
正直に言うと、所得が低いうちは維持コスト負けします。決算や法人住民税の固定費がかかるので、薄い利益の段階で焦って作るのはおすすめしません。
私が法人化を決めた基準も、結局は「手取りで年いくら変わるか」でした。建前の制度説明より、自分の数字で得かどうかを先に計算してください。
マイクロ法人とは
マイクロ法人とは、代表者1人で運営する小規模な法人を指す俗称で、法律上の正式な区分ではありません。

みずほ銀行や弥生の解説でも、株式会社や合同会社といった通常の法人形態で設立される点が共通しています。特別な「マイクロ法人」という登記区分があるわけではありません。
法人形態に法的な制限はなく、株式会社・合同会社・一般社団法人など任意で選べます。マネーフォワードの解説では、実務上は株式会社か合同会社が多いと整理されています。
1人で設立・運営でき、代表者が唯一の役員でも問題ありません。私の周りでも、ランニングコストの安い合同会社を選ぶ人が多い印象です。
マイクロ法人と一般的な法人との違い
マイクロ法人は、組織を拡大せず1人で軽量に運営する点が一般的な法人と異なります。
制度上は同じ法人です。法人税率も区別されず、中小法人なら所得800万円以下の部分が15%、800万円超の部分が23.2%という同じルールが適用されます。
違いは規模と目的です。一般的な法人が事業拡大や人を雇うことを前提にするのに対し、マイクロ法人は税・社会保険の最適化を主眼に、人を増やさず小さく回します。
マイクロ法人と個人事業主との違い

最大の違いは、法人なら自分への役員報酬を経費にでき、加入する社会保険も変わる点です。
個人事業主は自分自身への給与を経費にできません。一方、法人の役員報酬は一定の条件を満たせば法人の経費になります。これは前述のみずほ銀行の解説にもある通りです。
社会保険の扱いも分かれます。個人事業主は原則として国民健康保険・国民年金、法人は健康保険・厚生年金に加入します。
| 項目 | 個人事業主 | マイクロ法人 |
|---|---|---|
| 主体 | 個人と事業が一体 | 法人と個人が分離 |
| 自分への報酬 | 経費にできない | 役員報酬を経費にできる |
| 加入する社会保険 | 国民健康保険・国民年金 | 健康保険・厚生年金 |
マイクロ法人のメリット
メリットは大きく、税負担の軽減・社会保険料の最適化・経費範囲の拡大・信用力の向上の4つです。

マネーフォワードやみずほ銀行の解説でも、主な目的は税金と社会保険料の負担軽減と整理されています。ここからは私が実務で重視する順に見ていきます。
- 所得税・住民税の負担を抑えられる。
- 社会保険料を最適化できる。
- 役員報酬や社会保険の会社負担分を経費にできる。
- 法人格による社会的信用が得られる。
税金の負担を軽減できる
所得が高いほど、法人化で税負担が軽くなる余地が生まれます。
中小法人の法人税率は所得800万円以下が15%、超過分が23.2%。個人の所得税は累進で最高45%まで上がるため、所得が大きい人ほど法人側に利益を寄せる効果が出ます。
弥生や銀座プラスの記事では、法人化を検討する目安として「所得800万円超」「900万円超」といった水準が挙げられています。ただしこれは各社の経験則で、制度上の一律基準ではありません。私自身も自分の手取り試算で線を引きました。
社会保険料の支払額を減額できる

法人化で社会保険を役員報酬ベースにすると、保険料を抑えられる場合があります。
法人が健康保険・厚生年金に加入すると、社会保険料は会社と本人で折半され、会社負担分は経費になります。これは前述のみずほ銀行の解説でも明記されています。
正直、ここがマイクロ法人を作る一番の動機になっている人が多いです。役員報酬を低めに設定して保険料の計算ベースを抑える、という使い方ですね。設定額は税理士と相談して決めるのが安全です。
経費として認められる支出の幅が広がる
法人では、自分への役員報酬や社会保険の会社負担分まで経費にできます。

個人事業主が経費にできない自分の給与を、法人なら役員報酬として損金にできる。この差は所得が大きいほど効いてきます。
ただし役員報酬は原則として期の途中で自由に増減できません。「一定の条件を満たせば」という前提を外すと否認されます。最初の設定が肝心です。
社会的信用度が向上する
法人格があると、取引や資金調達で個人事業主より信用を得やすくなります。
取引先が法人としか契約しないケースや、口座・融資の場面で法人のほうが通りやすいことがあります。マネーフォワードの解説でも信用面はメリットとして触れられています。
とはいえ、信用目的だけで作るほどの効果はないというのが私の本音です。あくまで税・社会保険のメリットが主、信用は副次的なものと考えています。
マイクロ法人のデメリット

デメリットは、設立・維持の固定費と、赤字でもかかる税金です。
正直、ここはメリットと対称に並べられません。手間とコストの負担は所得が低いほど重くのしかかるので、判断を誤ると逆に損をします。
- 設立費用がかかる(合同会社で約10万円、株式会社で約25万円が目安)。
- 決算・申告の手間と税理士報酬がかかる。
- 赤字でも法人住民税の均等割を毎年納める必要がある。
決算や申告作業の手間と費用がかかる
法人になると、毎年の決算と法人税申告が必須になり、その分のコストが固定でかかります。

個人の確定申告に比べ、法人決算は格段に複雑です。年間50件以上の決算申告に関わってきた経験から言うと、自力で完結させる人は少なく、多くは税理士に依頼します。
加えて、赤字でも法人住民税の均等割は発生します。「利益が出なかった年も固定費がかかる」のが法人の現実です。ここを軽く見て作ると後悔します。
よくある質問
検索でよく一緒に調べられる3つの質問に、実務目線で短く答えます。
よくある質問
最後に一言。マイクロ法人は「所得が増えてきた人の次の一手」です。今の所得で年いくら手取りが変わるか、まずはその数字を出すところから始めてください。それが私の率直なおすすめです。
